葬儀社と事前に契約をしたらしておくべきことは?

終活に取り組む人が増えるにつれ、自分の葬儀について生前に考えることはさほど珍しいことではなくなってきました。今は様々な家族の形があり、様々な葬儀の方法があります。「自分が死んだ後のことは関係ない」と考えるのではなく、「家族に負担をかけたくないから」と周りを思いやる人が増えている現在。

自分らしい葬儀について決めておくことは最後の願いとしても受け入れられるようになっています。
生前に葬儀社と葬儀について取り決め契約することを「生前契約」と言います。この生前契約には注意したい点もありますので、必ずチェックしておきましょう。

そもそも葬儀社との生前契約ってどういう内容なの?

葬儀の生前契約は、実は欧米では広く一般的に行われています。その歴史はなんと100年も前から。日本では生前契約を行っていない葬儀社もありますが、アメリカではほぼ全て98%の葬儀社が生前契約のシステムを取り入れているのです。

生前契約は、葬儀の内容を決めて費用の支払方法を定めておきます。契約をして公正証書遺言を作成する流れです。費用の支払いについては、預貯金で準備をするか、死後に受け取った生命保険金を利用する方法が考えられます。

また冠婚葬祭の互助会に入っている人は葬儀などの費用を月々一定額積み立てていますから、ある程度の予算を先に決めている人もいるでしょう。

ただ自分が思い描く葬儀というのは年を重ねると変わっていくものです。「年を取り兄弟や友人も亡くなってしまったから家族葬で十分」となれば料金は大幅に減ります。

生前契約をした時から時間が経てば、求めることが以前の内容とは大きく異なるケースもあるかもしれません。生前契約ではあくまでも「予約」と考えておくのが無難です。

生前契約のリスクを知っておくことは大切

葬儀の生前契約には注意したいことがあります。それは契約が実行される日は不特定であるということ。それは一週間後かもしれないし、数年後かもしれない。

もしかしたら自分が想定するよりもずっと長生きをして、自分が死ぬ前に契約していた葬儀会社が倒産をしてしまった、ということもあり得ます。「自分はここで葬儀をしたい」そう思い契約をしたにも関わらず、そこから状況が大きく変わることもあるでしょう。

介護が必要となり施設に移り住んだり、子どもの家に引っ越しをすれば、葬儀場が遠くなってしまい使いづらくなることも。また高齢で亡くなれば参列する人も減り、考えていた大きな規模の葬儀を執り行う必要性が無くなったという事例もあります。

そういったリスクを考慮すると生前契約の内容は定期的に見直しをして、更新や内容の変更ができたり、場合によっては解約ができるところを選ぶのが良いでしょう。

契約をしても、家族がそれを知らずに葬儀を行ってしまうことも

葬儀の生前契約をすると、自分が納得できる内容の葬儀ができることにこれで一安心、と思うでしょう。でもこのことを家族が知らなければ、別の葬儀社で自分の希望とはかけ離れた葬儀が執り行われてしまうかもしれません。

もちろん葬儀社も生前契約をする際にそのことを考え適切なアドバイスをするはずですが、本人が先延ばしにしてその旨を家族に伝えなければ全く意味はありません。終活としてせっかく考え決めたことですから、周りに気づかれないのは悲しいこと。生前契約をしたら、周囲にきちんと伝えておくことはとても大切です。

葬儀の生前契約について、初めて聞いた家族はきっと驚き、時には動揺するかもしれませんが、あなたの想いはしっかりと伝わるはず。実際にいつの日か葬儀を行うのは家族や子です。故人の想いを知っていることで、迷いなく穏やかに葬儀を執り行うことができるはずです。

子や家族がいない場合は、誰にお願いする?

生前契約が増えた背景には、離れて暮らす子どもに負担をかけたくないと考える人や、配偶者や子どもがおらず一人暮らしの人が終活に取り組むケースが多くなったことが考えられます。自分が亡くなった時に誰が葬儀社に連絡を取るのか、近くに身内がいなければ他に頼れる人にある程度お願いをすることも想定しておかなければならないでしょう。

生前契約を行っている葬儀社の中には、喪主となる人にも内容を把握してもらうべく署名が必須になっているところもあります。この喪主となる人というのは、法律的に相続人でなくても問題はなく、友人や知人でもOK。

今自分が置かれた状況で万が一の事があったら、誰に何をしてもらうことになるのか、しっかりと考えておきましょう。生前に準備をし整理しておけば、頼まれた人も大きな負担とはならないはずです。

周りに伝えておきたい、生前契約とその他のこと

葬儀の生前契約のことを周りに伝えることはもちろん大切なのですが、その他にもしておくべきことがあります。家の掃除や片づけはどうするのか、貸家であれば綺麗にして引き渡さなければなりませんし、持家であれば相続にも関わります。

所有している不動産は、親族間でトラブルになることもあるため、必ず整理をしておきたいものの一つ、売却も念頭に入れるのも良いかもしれません。また身近なところだと、老人ホームや病院などの支払いや、ペットのことも事前に誰かに頼んでおけば安心ですよね。

自分の葬儀を考え改めて周りを見回してみると、今やるべきことと家族や知人に伝えるべきことが見えてくるはずです。手間がかかる面もあるかもしれませんが、スッキリとした気持ちで残りの人生を過ごせますので、ぜひ積極的に向き合ってみてほしいと思います。

三島尚大

三島尚大終活アドバイザー・カウンセラー

投稿者プロフィール

お墓・相続・保険・葬儀など、終活はでは色々なことを考えなければいけません。遺品整理という仕事を通じで数多くの相談者の皆様から学ばせて頂いた経験を活かして、あなたのこれからの人生をより良くするために、誠心誠意お手伝いをさせていただきます。『自分らしい』生き方を一緒に考えてみましょう!

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