意外に多い、高齢者の家庭内事故

65歳以上の高齢者の方が最も事故を起こしやすい場所はどこだと思いますか?高齢者になると運動能力や判断力、瞬発力が衰えてくるので、やはり道路上ではないか…?多くの人がそう考えるのではないでしょうか。

しかし実は、高齢者の事故が最も多く起きている場所は「住宅」なんです。

なぜ住み慣れた自宅で?と思うかもしれませんが、実は自宅には高齢者にとっては危険が多い場所なのです。
そこで今回は高齢者にとって自宅がどのように危険なのか、また高齢者が安全に暮らせるための自宅リフォームとは?についてみていきたいと思います。

高齢者の家庭内事故のきっかけとは

すでに高齢者は意外にも自宅での事故が多いことはお伝えしましたが、それではその事故の内容はどのようになっているのでしょうか。
実は高齢者の家庭内事故のきっかけは、およそ半分が「転落・転倒」によるものなんです。

体もまだまだ元気な現在であれば、自宅内で転落や転倒なんて、よほど急いでいたり寝ぼけていたりしたとかでないと考えづらく、普段であれば住み慣れた我が家なんて目を閉じていてもある程度移動できるぐらいでしょう。
しかし高齢者になってくると自分の思っている以上に肉体的な衰えはやってくるものなのです。例えば部屋と部屋の仕切りになっている部分や、畳の縁の部分、また玄関のちょっとした段差などに思っていたよりも足が上がっておらず、そのままぶつけたり引っかかったりして転倒してしまうことがあります。
また、フローリングなどの板の間も高齢者にとってはとても滑りやすい材質であったり、視力も衰える為に今までは充分な明るさだったものが高齢者になってみると暗く感じたりして、そういったことも転落や転倒につながっていると考えられます。

高齢者はヒートショックや熱中症にも注意が必要

高齢者の家庭内事故の多くは転落や転倒でしたが、こういったもの以外にも高齢者には気を付けなければいけないことがあります。それは冬場のヒートショックや夏場の熱中症も高齢者にとっては命に関わる重大なリスクです。特にヒートショックは家庭内で死亡する高齢者の4分の1がヒートショックが原因とも言われているほどです。寒い脱衣所やトイレなども高齢者にとってはそれだけで事故につながる危険性があります。

高齢者が安心して自宅で暮らすためには

このように、若い時にはなんの問題もなく暮らしていた自宅も、そのままでは高齢者にとってはあらゆる場所に危険性が潜む場所になり、結果的に道路上より多くの事故が起きる場所となってしまうのです。だからといって、高齢者向きに作られた専用の高齢者住宅や高齢者向けマンションに気軽に引っ越せるかというと、そんな簡単なものではありません。

こういった施設は高い機能性やサービスが付いていて安心ですがその分、入居料や月々の使用料に決して安くない金額がかかります。また住み慣れていてたくさんの思い出があり、思い入れもある町や我が家を簡単に手放せるかというと、そうでもありませんよね。住み慣れた我が家でも安心してずっと暮らす為には、自宅のリフォームが最も効果的な方法ではないでしょうか。

ずっと安心して住める自宅リフォームのポイントとは

自宅リフォームは確かに高齢者施設へ引っ越ししてずっと暮らしていくよりはずっと費用は抑えられますが、それでもリフォームとなるとそれなりの金額がかかります。

決して簡単には考えずに慎重に検討することが大切なのはもちろんですが、その為には自宅リフォームの検討、そしてできれば工事開始も、元気な今のうちから始めることをおすすめします。

元気なうちに自宅リフォームを進めるメリットは、高齢者になって収入源が年金だけになってからより、安定した収入がある今のうちのほうが資金計画を立てやすく、また様々な事柄を調べたり、セミナーに話を聞きに行ったりといったことが、高齢者になってからでは体力的にはもちろん、判断力や決断力が低下してからでは難しくなる、ということがあることです。

高齢者として住みやすい自宅にするために

では老後に向けて安心して住める家にするためには、具体的にどのようなリフォームをすれば良いのか?ですが、これについてはどの家にも当てはまる正解というものはありません。

というのも、自宅リフォームはその家の間取りや設備、そして暮らす人の希望などによってオーダーメイドで行うものであり、これだけやっておけば安心というものではないのです。

しかしその中でも高齢者でも住みやすい自宅リフォームで多く採用されているものを紹介しますと、まず一番は「手すり」でしょう。玄関やトイレ、廊下、脱衣所、浴室など手すりのあるなしでは普段でも、またとっさの時にも事故防止に高い効果があります。

またスペースや予算にもよりますが、将来車いす利用のことを考えて、玄関前のスペースをスロープにしたり、廊下を広げるといった場合もあります。

またヒートショック対策には、脱衣所・浴室・トイレといった衣服を脱ぐような場所には暖房器具を設置したり、断熱材を入れる、高断熱のサッシやガラスに交換するといったこともできます。

他には、高齢者宅で不注意による火事が起きた事例もあるので、できるだけ火を使わないように、キッチンコンロをIHコンロに変えることも事故防止には良いでしょう。

さらにリフォームのような工事までは必要ないものとしては、滑りやすいフローリングの床の上に転倒しにくい素材のカーペットなどを敷いたり、照明を視認性の高いものに変更したり、布団から寝起きしやすい低めのベッドに変更したりといったことが挙げられます。

今回は、高齢者の事故は家庭内で多いということから老後も安心して住める自宅リフォームについてご紹介してみました。

老後のことなんてまだ早いという気持ちでいると、いざ動こうとしても肉体的に、そして精神的にも余裕が無くなってしまってから動くことにもなりかねません。

老後は誰にも必ず来るもの、だからこそ早めに準備していくことが大切なのではないでしょうか。

三島尚大

三島尚大終活アドバイザー・カウンセラー

投稿者プロフィール

お墓・相続・保険・葬儀など、終活はでは色々なことを考えなければいけません。遺品整理という仕事を通じで数多くの相談者の皆様から学ばせて頂いた経験を活かして、あなたのこれからの人生をより良くするために、誠心誠意お手伝いをさせていただきます。『自分らしい』生き方を一緒に考えてみましょう!

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