終活で話題の「墓友」って知ってますか?

関心を集める「終活」、そして「墓友」
「終活」という言葉を見聞きしたことがある方は多いのではないでしょうか?度々、テレビの情報番組や、雑誌といった媒体で取り上げられていますし、書店に行くとその手の本が幾つも並んでいることからも、その関心の高さが伺えます。
そして、その終活の中で、「墓友」という言葉が生まれ、これもまた着実に関心が高まっているものなんです。このコラムでは、その「終活」のこと、そして「墓友」のことをご紹介したいと思います。
「終活」とは
まず「終活」とは何か、ということからご説明します。「終活」というのは、その言葉通りに、「終わりに向けて行う活動」また「その考え方」のことを言います。
ただ、最近では、少し捉え方を広げて、「人生の終わり方を考えることにより、今の時間や人生をよりよく生きるための行動(考え方)」という意味も含めて「終活」と言っております。
終活でやることを具体的に挙げると、遺す方々に伝えたい情報や、伝えておかなければいけない情報をエンディングノートに書き遺すことであったり、生前整理として必要な物は保存し、不必要だと思えた物は処分する、といったことなどがありまして、その中の一つに、自分自身のお墓について考えることも含まれます。
そうしたことを考え、また今までの記憶や思い出という人生を振り返ることで、これからの時間や生き方について考えることができる、これが終活を行う意味や意義であり、同様に大きなメリットなのです。
ですから、この言葉からネガティブに捉えてしまいがちですが、終活はむしろポジティブな行動や考えだと言えることなのです。
「墓友」とは
そうした終活の世界の中で、「墓友」という言葉が生まれ、冒頭でも書いた通り最近では高い関心を集めています。「墓友」というのは、これまた文字の通り、「一緒にお墓に入る友達」のことを言います。
ただ友達と言ってしまうと、かなり限定された捉え方になってしまいますが、実際の範囲は「家族以外の他人」という意味でもあります。ですから、今までのような家であったり、血縁関係というもので一緒にお墓に入るのではなく、血縁関係のないまったくの他人同士でお墓に入るわけですね。
どうしてこういったものが生まれ、また関心を集めているのか。それは、現代の日本は少子高齢化が深刻かつ急激に進んでいますし、核家族化と生涯未婚率の増加などによって、一人暮らしのまま生涯を終える方々が増えている、という背景があるからです。
そうした孤独や不安を抱えながら一人暮らしをしている高齢者の方々にとって、一緒にお墓に入る人がいることは、その孤独感や不安感を軽減できますし、また気持ちの拠り所となりますので、この墓友という考え方への関心が高まっているのです
。また、子どもや孫にお墓を継承していくことが困難であるから、という側面も同様の背景から言えます。
墓友のメリット:気持ちの面で
墓友を作ることには、幾つかのメリットがあります。その中でも、気持ちの面でのメリットというのがとても大きくあります。
先ほどご説明したような、一緒にお墓に入る人がいることで今後の人生においても、また死後の眠りの中でも、孤独感や不安感、心配する気持ちを軽くできるのはとても意味のある大きなメリットの一つです。
他にも、その墓友と終活やお墓のことなどの情報交換ができたり、コミュニケーションが取れることも、同様のメリットです。
また、墓友を作る場合の方法は、終活をサポートする団体などが主催する墓友サークルや終活カフェに参加をしたりするなどで墓友を探したり、今ですからインターネット上でそういったサイトを通じて知り合ったりしますので、そうした中で交友関係が広がるというのも気持ちの面でのメリットの一つです。
墓友を作ること、墓友がいることには、これらのような気持ちの面での幾つものメリットがあるものなのです。
墓友のメリット:料金の面で
また、墓友を作ることは、かかる料金などの金銭的な側面からもメリットがあります。
従来通りのお墓を作るなどにかかる費用というのは、「墓地の永代使用料」「管理費」「墓石代」「お墓を建てる工事費その他」などを合わせまして、200万円~300万円ほどかかるのが一般的です。
ですが、墓友と共同墓に入る場合の基本料金は、主流となる大体のところが50万円前後であり、また最初から他の人のお骨と一緒の合祀の形式ですと5万円台から行えますので、お墓を建てるのよりも遥かに金銭的負担が少ないというメリットもあるのです。
墓友のデメリット
逆に墓友のデメリットも幾つかご紹介します。一つは、「墓友という考え方や行動が理解されない場合がある」ことです。お墓はこの世を去った方だけのものではなく、遺族の方々にとっては亡くなった方との交流する大切な場所ですから、墓友と共同墓に入ることを反対されることもあります。
ですから、墓友という考え方や思いなどを時間をかけて親族や周囲に理解してもらうことも必要となってくるかもしれません。他には、「遺族への不正請求」が起こったという事例もあった点です。
契約時に払ってあるのに、その本人の死後、遺族へ永代供養料を請求する、ということなどがありましたので、契約時の内容を遺族にも書面や口頭などで伝え、また遺すようにするといった行動や考え方も大切です。
まとめ
墓友という考え方は、孤独感や不安感を募らせる独身の高齢の方々の心や気持ちを軽くできるものです。ただ一方で、今までとは違うお墓の入り方でもあるので、しっかりとした確認や注意をしたいことでもあります。
ですので、墓友にかぎらず、生前整理など、そうした様々なことを相談できる窓口を設置しているところもありますから、こうした存在を頼り、相談をしたり、話を聞くことも大切なことだと言えるかもしれません。こういった情報を参考に、検討してみてはいかがでしょうか。