不動産の相続は終活として自分で先に終わらせておこう

不動産の相続のトラブルは、実はあなたが想像するよりもはるかに多いものです。「相続人となる家族や親族は皆仲が良いから大丈夫」そう思っていても、お金が絡むと簡単にはいきません。悲しいことに、相続トラブルがきっかけで醜い争いが始まり事件の引き金になることすらあるのです。

残されたものがお金だけなら問題はそう難しくはありません。簡単に配分することが難しい不動産の相続が絡むことで、事態は余計にややこしくなってしまうのです。

自分が亡くなった後のことをイメージしてみてください。自分の死がきっかけで争いが始まるなんて誰も見たくないはず。トラブルを回避するためにもぜひ不動産の相続についてきちんと整理しておくことが大切なのです。

不動産の相続にトラブルが多い理由とは

かつて嬉しい財産と言えば土地と家、そういう時代がありました。売ろうと思えば高値で売れたため、無理をしてでも不動産を購入したものです。しかしそんなバブル時代は終わり、そう簡単にはいかなくなりました。不動産を所有していれば固定資産税を支払う義務がありますが、かといって住むつもりもない。維持や管理ができない空き家が急増しているのが現実です。

不動産を相続して「嬉しい」という気持ちがある半面、「面倒で困る」という感情が見え隠れしているのです。しかし不動産も資産です。相続する人が複数人いて誰もが平等性を主張すれば、不動産を均等に配分しなければなりません。それが現金なら簡単ですが、不動産となると共有するしか方法はなく、それが無理なら現金化して分配するしかないのです。

人生には色々なことがあります。過去に親族間でお金の貸し借りがあったかもしれませんし、親の介護で苦労した方もいるでしょう。誰もが納得できる形で分配するというのは容易ではありません。もしあなたが元気な間に自分の意思を彼らにはっきりと伝えておけば、余計なトラブルにならないかもしれないのです。

不動産を遺産相続する場合、分割方法はどんなものがあるの?

不動産の相続に関して相続人が複数人いる場合、相続するには分割しなければなりません。分割の方法は4種類ありますので頭に入れておくと良いでしょう。

一つ目は「現物分割」。お金や有価証券などの現金性資産や不動産などの資産をそのままの形で分割する方法です。例えば「土地は長男に、預金は次男に」といった分け方でシンプルで分かりやすいのが特徴です。

二つ目は「換価分割」です。これは不動産などを現金性資産に換えてから分割する方法です。売却する手間があり譲渡税を支払わなくてはなりませんが、公平に分配できるメリットがあります。

三つ目は「代償分割」。これは例えば3,000万円の不動産を2人で分割する場合、どちらかが不動産を全て相続して、その人がもう一人に対して1,500万円の支払いを行う方法です。不動産を得て代償金を支払う方は現金を用意する必要がありますが、不動産は売却しないで相続ができます。代償分割の場合は遺産分割協議書にそのことを記さなくてはなりません。相続税は上記の場合はそれぞれ1,500万円分に課税されます。

四つ目は「共有分割」です。その名の通りそれぞれの遺産を相続する人で共有する方法です。しかし共有する不動産を売却したり賃貸に出す場合、全ての相続人の合意が必要となるため、後に揉めることもあります。

不動産について家族で話し合い、子の意見を聞いてみる

親が持つ不動産を子に相続させることについて、家族で意見を交換したことがありますか?不動産という資産の分割方法までこの時点で考える必要はありませんが、家族の意見を聞くことでその不動産を今後どうすればいいのか答えが見えやすくなります。

終活においてお墓やお葬式についてはある程度考えたけれども、不動産の相続は何だか複雑そうだからちょっと…と後回しにする人もいます。実際知識が無いと手続きなどは手間がかかります。税金についても知識が必要です。でもだからこそ終活では考えておきたい項目でもあります。

今所有している不動産、自分が最期を迎えるまではどうするのか、死後は誰に引き継ぐのか…、売却し現金化しても構わないと伝えておけば子は安心するかもしれません。不動産は不動なもの、相続をしてもなかなか上手く運用したり活用するのは大変です。不動産について話し合ったことが無いのなら、一度はあなたの意見と子どもの意見を交わす機会を作ってみてください。

遺言書を作成しておくと安心です!

不動産の相続は複雑で争いのもとになります。冷静な判断ができる今のうちに、遺言書を書いておけば後々困ることが無く安心です。寿命が延びて100歳近くまで長生きする人が多い日本ですが、認知症を発症したりと100%の判断能力を保ったまま長生きするとは限りません。

遺言書を残すなら、必ず法律上効力のある書式で作成しましょう。遺言書で一般的に作成される形式は大きく分けて二つ、「自筆証書遺言」と「公的証書遺言」があります。自筆証書遺言は、紙とペンがあれば作成できる遺言書で費用がかからないため気楽に作成が可能。自筆で、日付が明記してあり署名押印があれば大丈夫ですが、法律上有効かどうかは亡くなった後で家庭裁判所による検証が必要となります。

一方で公正証書遺言は公証人が関与し作成する方法で、文面にするのは公証人となります。手続きが面倒で費用がかかりますが、後の検証なども必要ありません。

遺言書を作るなんて大げさ、とは思わずに、きちんとした形で意思を残せば不動産の相続もスムーズになりますよ。

三島尚大

三島尚大終活アドバイザー・カウンセラー

投稿者プロフィール

お墓・相続・保険・葬儀など、終活はでは色々なことを考えなければいけません。遺品整理という仕事を通じで数多くの相談者の皆様から学ばせて頂いた経験を活かして、あなたのこれからの人生をより良くするために、誠心誠意お手伝いをさせていただきます。『自分らしい』生き方を一緒に考えてみましょう!

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