終活と不動産の深い関係性

「終活」はお葬式やお墓のことはもちろん、自分に関わる全てのことを整理し、残りの人生を充実したものにするために行います。終活において忘れてはならないことは、不動産のこと。

家は生活の拠点ともなり、また大きな財産ともなるため、終活では必ず押さえておきたい項目の一つです。終活と不動産は切っても切れない深い関係性があることを覚えておきましょう。

今までどんな家に住んできたのかを思い出してみる

不動産に関する終活は、「住まいの終活」とも言われます。堅苦しく感じるかもしれませんが、今まで毎日生活してきた家のことを考える、と言えばちょっと気楽になりますよね。

あなたは今までの人生、どんな家に住んできましたか?幼少期は、田舎で祖父母や両親、兄弟と一緒に賑やかに過ごしてきた人もいるでしょう。進学や仕事がきっかけではじまった、初めての一人暮らし。忙しい毎日でも家に帰れば癒しの時間で、自分の城として趣味のもので埋め尽くしたこともあったかもしれません。

結婚をして子どもが生まれると、家で過ごす時間は子どもが中心になります。走り回る子どもが付けた床の傷、身長が伸びた証として付けた柱のしるし、その一つ一つに子どもの成長と思い出が刻まれていきます。夫婦で背伸びをして購入した家なら思い入れは尚更。家のローンの返済は楽ではなかったはずですが、家族の幸せのために夫婦で助け合う一つの目標でもあったはずです。

終活は年齢に関係なくできるものですが、始める人の多くは60代や70代だと思います。高度成長期で仕事や家族を中心に大変だった時代。家の歴史を振り返る機会は意外と少なかったのではないでしょうか。

過去を振り返ると、自然に未来を考えられる

これまで住んできた家を振り返ると、自分の生活や人生を振り返ることになります。思い出をたどることで、心の整理がついてくるのを感じませんか?そうするとこれから先、残りの人生はどんな風に生きていきたいのかを自然と考えられると思います。

「終活で不動産を考えることは重要」「所有する不動産はどうするのか」と突然言われても、「まだ自分は元気だしそんなこと考えられない」と、人によっては思わず拒否したくなる内容かもしれません。しかしゆっくりと家と人生を振り返ると、将来のことを前向きに考えられるのが不思議ですよね。

「住まいの終活」はこのように過去を振り返ることからはじめていけば、遠回りのように見えてスムーズに不動産のことを考えられるようになるのです。

これからの残りの人生、どんな家でどんな生活をしたいのか

これまでの家や人生を考えたうえで、これからの暮らしをイメージしてみましょう。

「思い出が詰まったこの家で最後まで住み続けたい」「夫婦(独り身)には広すぎるから、住みやすい小さな家に引っ越しをしたい」「子どもと一緒に生活をしたい」「同じような仲間と一緒に助け合って暮らしたい」「体調を管理してくれる施設を検討したい」などなど。

今から環境を変えることは一大決心となり気力も必要ですが、おそらく最後となる家での生活を希望にそったものにするためには思い切りも必要です。それぞれの生活がイメージしづらければ、環境の異なる友人や知人に話を聞くのも良いですし、物件や施設を見学するのも良いでしょう。

現在の家をどうするのかを考えてみましょう

終活と不動産との深い関わりをお伝えするのには理由があります。それは不動産の相続について何も考えないままに亡くなってしまった場合、残された家族や相続人の中で時折トラブルとなるケースがあるためです。

現在住んでいる家を今後どうするか決めていますか?配偶者や子に住み続けてもらいたいと考えていても、相続人が複数人いる場合ではスムーズにいかないこともあるのです。他に財産が無く法定相続分をきちんと分けてほしいと他の相続人に主張されれば、家を売り現金化して配分する必要性があります。

相続が発生した時は相続人の皆が納得する形となったはずなのに、相続の手続きをしないで放置したことで、相続人の状況が変わり主張する内容が変わることだってあります。

現在住んでいる家をどうするのか、名義の変更はどうするつもりなのか、きちんと考えることで家族や相続人で争うことも避けられるでしょう。

自分の考えを家族に伝えることと、家族の考えを知ること

一緒に住んでいても離れて住んでいても、確かな絆で繋がっている家族。「言わなくてもきっと分かってくれている」「子どもはきっとこの家に住みたいはずだ」などと、はっきり口にしたわけではないのに勝手に信じてしまっていることはよくあることです。

夫婦だって同じです。毎日一緒にいて毎日会話をしているから全てが分かっていると思い込んでしまいがちですが、本音は分かりません。今住んでいる家のことと、これからどんな暮らしをしたいのかを是非改めて家族で話し合ってみましょう。

家をどうするか決めないまま、もしあなたが亡くなってしまったら、家族は「どうしたら一番良いのか?」とやはり困ってしまうでしょう。あなたのことを大切にしているからこそあなたの想いを想像して、「家はそのままにした方が悲しまないだろう」とか「お父さんはどう思っていたのだろう」などと判断に迷いが生じてしまうのです。

もしかしたらあなたがどう思っているのか、子どもは気になっているかもしれません。でも人生の最後の暮らしのことや不動産の今後のことは、子どもからは言い出しづらいもの。

親から話題を振ってあげることで、子どもも安心できるはずです。家族だからこそ、お互いに思っていることを本音で話し合えると良いですね。

三島尚大

三島尚大終活アドバイザー・カウンセラー

投稿者プロフィール

お墓・相続・保険・葬儀など、終活はでは色々なことを考えなければいけません。遺品整理という仕事を通じで数多くの相談者の皆様から学ばせて頂いた経験を活かして、あなたのこれからの人生をより良くするために、誠心誠意お手伝いをさせていただきます。『自分らしい』生き方を一緒に考えてみましょう!

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