死亡保険金の生前給付の活用

「終活」は自分にとっても家族にとっても大切なこと
自分の人生を納得のいく形で終わらせるためにとても重要な下準備でもある終活。現在は、世間にも広く知られている言葉ですよね。
元々は自分のお葬式やお墓などについて自分自身でマネジメントしたり準備をしたりすることを指していた言葉ですが、今では生前持っていた財産などの管理、相続の割り振りなども遺族任せではなく自分で道筋をつけていくという意味も含んでいます。
実際、当人がしっかり終活をしていたおかげで後々のことがとても順調に進んだというケースは多いのです。
当然のことではありますが、自分の持ち物や資産、財産については、死後自力で管理することはできません。家族や親戚の間に余計なトラブルや負担を発生させないためにも、今のうちからある程度整理し、自分が旅立った後どのように片付けるのが理想かまとめておくのがおすすめです。
自分にとっても、そして残される家族たちにとっても有意義なことばかりの終活。人生がいつ終わるかは誰にもわからないのですから、早いうちから少しずつ進めておくのが良いですね。
老後を悠々自適に過ごすのは大変
日本人の平均寿命がどんどん伸びていく一方で、それを支える年金制度にはかなりの綻びができています。ニュースなどでも頻繁に取り上げられる話題ですから、「もう年金に頼ることはできない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実際に、年金の支給開始年齢は少しずつ引き上げられていて、退職してもすぐに年金をもらうことができない人も出てきています。それまでにある程度の貯蓄があれば切り崩しつつ生活していくことも充分可能ではありますが、それでも年金だけに頼っていてはゆとりのある生活をしていくことは難しくなってきています。
「ゆとりのある生活」といっても、これは夫婦ふたりが健康に過ごしているという前提でのこと。より現実的に考えれば、医療費や介護費用などさらなる出費があることは確実でしょう。その他にもいつ何時まとまった金額が必要になるかわかりませんから、実際には生活はかなり厳しくなることも。
これでは、生きている間に終活を進めておくどころではありませんよね。そこで上手に活用していきたいのが「少額短期保険」です。
高齢者の心強い味方! 少額短期保険
「少額短期保険」とは、その名前の通り、補償金額が少なく期間も短いタイプの保険のことです。保険の対象も細かく限定されているので、その分掛け金が安く、審査基準も緩いのが特徴です。
高齢になると一般的な保険は健康上の問題等様々な制限のために加入しにくくなりますし、加入できたとしても月々支払う保険料が高くなってしまうことも多いですよね。このような理由から新しく保険に加入することを諦めてしまっていた方も多いのではないでしょうか。
少額短期保険であれば、こういった悩みを解決することができます。加入するための条件もかなり緩いので、高齢で持病があるという方でも問題なく加入することができます。
例えば現在入院しているとしても、退院さえできればすぐに契約できるので、タイミングさえ合っていればほとんどの方が利用できると考えて大丈夫です。生命保険をはじめ、医療保険やその他細かい分野に分かれた保険商品がたくさんあるので、ぜひ自分たちに合っているものを探してみましょう。
死亡保険金は条件を満たせば生前に受け取ることもできる!
一般的に、生命保険の死亡保険金は、保険に加入している本人が亡くなった後家族などに給付されるものですよね。お葬式やお墓などにかかる費用、そしてもちろんその後の生活を支える資金として活用されるのが普通ですが、実は条件を満たしさえすれば生前に死亡保険金を受け取ることもできるのです。
死亡保険金の生前給付を受けられる条件としては、「医師によって余命が宣告されていること」「がんや心筋梗塞、脳卒中など致死率が高く、後遺症が残りその後の生活に支障をきたしやすい特定の疾病にかかっている上、完治の見込みはないと診断されていること」などが挙げられます。いずれにせよ、健康面に大きな問題を抱えている場合生前給付を受けられることがあると捉えてよいでしょう。
気をつけておきたいのが、この生前給付金は「リビングニーズ特約」という特約を保険につけていないと受け取れないということです。加入後でも特約をつけることはできるので、これまでこの制度を知らなかったという方はぜひ検討してみてください。
生前給付の死亡保険金で充実した終活を
生前給付された死亡保険金の使い方は様々です。例えば最先端だけれど保険対象外となっている高度な治療を受けたり、残された余生を充実したものにするための資金に充てたり……自身に残された時間を有意義にする、という点では終活にも通じていますよね。
例えば、終活の一貫として財産を整理したり、持ち物を整理したり……といったことが必要になれば、やはり税理士や弁護士、専門の業者などの力を借りたくなる場面も出てくるでしょう。そんなとき、お金を気にせずにいられるのはとても大きなアドバンテージです。
生前給付される死亡保険金は一部のこともあれば全額のこともありますが、どちらにしろ他の医療保険などと比べても大きな額であることは間違いありません。死亡保険金の生前給付という制度を活用して、終活をより有意義なものにしていきましょう。